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それが恋だと気づくまで――⑤

Auteur: 相沢蒼依
last update Dernière mise à jour: 2026-02-17 11:20:44

***

うんざりするような夕食を終え、さっさと風呂に入り自室に篭っていたら、扉をノックする音が響いた。義理の母親が俺の部屋に来ることはなかったので、相手は親父か穂高だろう。

「誰?」

「義兄さん、俺……」

その声に渋々扉を開けてやると、俺よりも一回り以上大きな体を縮込ませながら、いきなり頭を下げてくる。

「……何の真似だよ、これは」

「無理矢理連れ帰ったのに、嫌な顔一つしないで夕飯食べてくれてありがとう、義兄さん」

親父がいる手前上、変な態度をするワケにもいかないし、自分のために作られたご馳走に罪はない。ポーズだったがニコニコしながら、それらを口にし、義理の母親にはお礼を言ってやった。

「お前に、そんなことを言われる筋合いはないよ」

チッと舌打ちしながら言ってやったのに、それでも嬉しそうな表情を崩さない。

「そうかもしれないけど、母さんがすごく喜んでいたから。これをきっかけに、家に帰ってきてはくれないだろうか?」

「……嫌だね。ここに俺の居場所はないんだから」

「それって俺たち親子が、ここにいるから?」

「違うよ。元々親父と一緒にいるのがイヤなんだ。お前たちは関係ない」

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